在シドニーのナチュロパス、前田アンヌのブログ です


by naturopathic_view

ナチュロパシー国別事情(2)オーストラリア

クイーンズランド州(QLD)に引っ越してくる前、私はニューサウスウェールズ州(NSW)にある、かつてヒッピーカルチャーが栄えたことで有名な村に住んでいた。

アーティスト、音楽家、文学者、評論家、エコロジストなどアカデミックスとニューエイジがいい具合に合流した、かなりクールでヒップな村だった。
もちろん、ごっついヒッピーたちもまだまだ健在である。
この村界隈で受けられる代替医療の種類と数は、シドニーやブリズベンの比ではなかった。
ニューエイジ系の村だからセルフケアの概念も人々に浸透していて、ナチュラルセラピーは生活の一部という夢のようなところだったのだ。

こんな夢のような村の落とし穴はセラピスト人口の多さにあった。

右を向いても左を向いてもナチュロパス。
人口6000人の村に、ナチュロパスはざっと50人以上、これに中医学や霊気やエナジェティックヒーリング系を足すと100人は間違いなくいただろう。
全国内統計では、人口6000人に対し1人の割合でナチュロパスは存在するから、この村がナチュロパスで飽和状態にあったことは手に取るようにわかる。
もうおわかりだろう、これではとても食べていけない。

(ちなみにアメリカとカナダ合わせて、人口104000人に対しナチュロパスは1人という統計がある)

そんな難点はあったが、それでもなおヒッピー系のすごいところはこれだけ同業者が多いのに汚い市場争いがなく、みんな平和に暮らしていたというところにある。
他のセラピストの治療方針に干渉しない、お互いに敬意を払う、知識や情報を交換し合うという土壌がきっちりしていたのだ。
しかもこれは、都市部のセラピスト間に見られがちな表面的な礼儀ただしさとは違い、本当の意味でそうだった。

この村には学生時代から4年住んだが、楽しくもあり暗部もあるヒッピー文化を垣間みることができた。
私自身はヒッピーにはならなかったが、その精神はがっちり受け継いだと思う。

そのおかげで、つらいこともある。
この村から一歩離れると、世の中そんなに平和じゃない現実があるのだ。
現実は厳しく、現実を理想に近づける努力は、いつも実るとは限らない。

いや、たま〜に実る時もあるかな、、、。
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by naturopathic_view | 2008-07-22 14:58 | クリニック